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孫ひとり   daramadara.exblog.jp

古希も過ぎました日常をとりとめもなく


by esiko

すいとん

今の時代、日常的に「すいとん」を作って食べているお宅は、あまり無いと思います。
我が家は父が好きだったので良く作っていて、父が亡くなった後も食べています。
この「すいとん」ですが、、小麦粉をこねて寝かせたものを左手に持って、
左手の親指の腹で平たく延ばしながら、右手で上手に引っ張ってちぎりながら鍋に入れて行くのが
伝統的な正しい料理法です。
有る程度の年齢以上の東北の農村女性は、たいていは体得されているはずです。
昔の農村では自給自足が大前提なので、収穫した麦を粉にひいて、それをすいとんにして食べていました。
で、母はそういう時代に農家で育ったので出来る筈(多分)ですが、私は何回やってもうまくいきません。
そこで、いつもの横着思考でたどりついたのが、麺棒で延ばしてからちぎる方法です。
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これ、本当に簡単なので、正しい方法を覚えなくてもいいやという人種にはお勧めです。
因みに粉の配合は、薄力粉2強力粉2片栗粉1が私のお気に入りです。

すいとんは、父が大好きでした。
すいとんには、鶏肉のほかに大根・ニンジン・ジャガイモ・ゴボウ・シイタケ・ネギなど、
野菜がタップリ入るので、食事制限されている糖尿病の父には、満腹感があったのです。
すいとんをもっとたくさん入れてあげたいのに・・・と思いながら、野菜中心によそったものです。
父の好物だったものを見るたび、もっと食べさせてあげればよかったと、いつも思います。
父の母が100歳過ぎまで生きたので、父もあと20年は生きるものだと思っていて
私は糖尿病の食事をちゃんと守って出していました。
84歳で亡くなるとわかっていたら、もっとたくさん・・・と、せんなきことを未だに思ってしまいます。
お腹がすくと茶の間にやってきて、自分で急須にお湯をついでお茶を飲んでいた父の背中を思い出します。
お茶菓子や果物などが食べたいのを黙って我慢して、両手で茶碗を握りしめて飲んでいました。
若い時は怖くて威厳があった大きな背中でしたが、晩年は二回りも小さくなって寂しい背中でした。

お彼岸に入ったので、団子とオコワを作って、てんこ盛りにして仏壇に供えました。
父はもう食べられないのに・・。
by esiko1837 | 2013-03-20 19:54